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CUT No.76 (1998年10月号) P.105


HOTな男優


ホットな放浪者。われわれはいつもそんな誰かを待ち望んでいる。

新たなレオナルド・ディカプリオに飢えた世界に突如現れた新星ジョナサン・リース・マイヤーズ――近日公開の『ベルベット・ゴールドマイン』でデヴィッド・ボウイばりのロック・スター、ブライアン・スレイドを演じている――は、名声とは何かを今まさに学ぼうとしているところだ。トッド・へインズ(『ポイズン』)が監督したその映画には、スレイドのマネージャー役が「スターになる秘訣はスターのように振る舞うことだ」というシーンがあった。

しかし、21歳のリース・マイヤーズ――アイルランドのカウンティ・コークで育ち、15歳の時、ビリヤード場で遊んでいるところをキャスティング・ディレクターにスカウトされた――は、ただ自分の仕事のみに専念している。「俳優になりたいんなら、特に映画俳優になりたいんなら、ある種の傲慢さを持ってなきゃダメだね」と、独特な激しさを込めながら彼は言う。「だけど、ぼくは物事を長い目で見てるんだ。゛スター″っていうのは、瞬間的なものに過ぎない――それが爆発した瞬間しか見えないものなんだよ」

リース・マイヤーズが自分の職業を偶像化していないことは明らかだ。「俳優はどいつもこいつも怠け者なんだ」と彼は言う。セットに入ると、すぐにみんながきみのケツを拭こうとしてくれる。だけど、ほんとはきみ自身がケツの穴みたいな奴だってことは誰も教えてくれないんだ。たとえば、トム・クルーズの周りで働いてる人の中で、『トム、それじゃぜんぜんダメだよ、そんなことしたらクソったれにしか見えないじゃないか』なんて言う奴はいない、そんなこと言われた日には、トムはその映画からただちに降りちゃうだろうからね」

今までのところ、リース・マイヤーズは怠け者でいるにはあまりに多忙すぎる日々を送っている。これまでの彼の出演作は、ニール・ジョーダン監督の『マイケル・コリンズ』、スリ・クリシュナマ監督の "A Man of No Importance"。今後の公開予定作には、ミニー・ドライバーと共演の "The Governess"、アン・リー監督の南北戦争映画で、スキート・ウーリッチ、トビー・マグアイア、そしてシンガーのジュエル――と共演する "Ride with the Devil" がある。

REMのマイケル・スタイプが製作に当たり、ユアン・マクレガーがイギー・ポップをモデルとしたロック・スターに扮する『ベルベット・ゴールドマイン』で、リース・マイヤーズは華麗な役柄の中に両性具有的な魅力をもたらしている。「人はレッテルを貼るのが好きなんだよ」と彼は説明する。「男役か、女役かってね。でも、ここLAではそうじゃないよね。どの雑誌のページを開いても、女らしい女や男らしい男なんてぜんぜんいないだろ。きれいな男の子とセクシーな女の子ばっかりでさ。彼らは男女の間の壁を壊そうとしてるんだ――そのことがみんなを惹きつけるんだよ」


<管理人コメント>

古い記事ですが、ジョナサンの人となりがよく伝わるインタビューだと思います。かわいい顔してケツの穴談義を繰り広げる彼を生で見てみたいものですね(^^;)






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