(略)
グラハム(G): どうして俳優になったんですか?
ジョナサン(J): 貧乏のせい(笑)。それが僕にできる事だったから。ホントのところ僕は俳優になりたいと思ったことは一度もなかった。もっと若い頃、僕はシャイで恥ずかしがり屋で控えめだった。今でもかなり控えめにしているけど、それは自己中に見られたくないからなんだ。でもこの1年でわかるようになったんだけど、僕のコップは半分カラなんじゃなくて、半分も満たされてるんだってね。
G: どのようにして始まったのですか?
J: 僕が15歳の時、学校を退学になって、(アイルランドの)コークにある The
Vic っていう店で、玉突きの賭けをやり始めたんだ。僕はたいてい賭けるお金を持たずにやっていたから冷や汗ものだった。負けたら借金を背負うか、相手が僕を死ぬほど殴ったりしないようにドアから飛び出すかしなければいけなかった。
ワーナーブラザーズの人達がやって来た日も、僕はそこで玉突きをしていた。彼らは、『The
War of the Buttons (1994)』という映画のキャスティングをしていて、僕にオーディションを受けないかと聞いてきた。それで、監督のところに連れていかれた。僕は他にキャスティングされた少年達と比べて年上に見えるという理由で、役はもらえなかった。本当に落ち込んだよ。信じられないほどの拒絶を味わって、脚を切り落とされるような気持ちだった。
2ヶ月くらいテレビやビデオを見るのもイヤだったけど、それから考えたんだ。くそっ、僕は負けてるじゃないか、負けるのはいやだ。僕はやってやる。行って映画を作ってやる、ってね。それから1年半くらいオーディションを受けまくったけど、役はもらえなかった。ボクシングの試合をやってるみたいだったよ。リングに上がって、僕の場合は映画界だけど、相手と対決する。向こうはいつも僕をロープに押しつけてボカボカ殴りつける。全ての拒絶はアッパーカットだった。でも、その後、役をもらって、殴り返したってワケだ。
G: 何の役ですか?
J: クノール・スープのコマーシャルだった。これは僕の初仕事で、もらった時には、『やった、さあ次のも取るぞ』って感じだった。Albert
Finney や Rufus Sewell と一緒に 『A Man of No Importance(1994)』をやって、それから
『Disappearance of Finbar(1996)』 の主役をもらえた。すごく興奮したよ。
撮影の1ヶ月前、僕は(コーク州の) Buttevant のクロフツ家(ジョナサンの後見人であり友人)の家にいて、家族は他に誰も家にいなかった。それから起こったことは生きている限り決して忘れない。それは水曜の夜8時5分だった。ショットガンを持った男が6人家に入ってきた。その内の1人は僕の口にショットガンを突っ込み、首の後ろにピストルを押しつけた。男たちは僕を縛り上げて、家の中を引きずりまわし、僕の頭に銃を向けてロシアン・ルーレットをやり始めた。奴らは2万5千ポンド要求し、1時間半くらい僕を拘束した。農場長がいたんで、あいつらは彼を少し殴って部屋の中に連れてきて、僕ら2人は手錠をかけられた。僕は本当に恐かったし、胃がひっくり返るようだったけど、全く冷静に振舞った。
G: 自分は死ぬだろうと思いましたか?
J: それは問題じゃなかった。もし奴らが僕の頭に銃を向けて撃ったとしても構わなかったよ。僕は死んで、ただそれだけだ。僕が恐れたのは、奴らが僕を死ぬほど殴ったりすることだった。だってそのほうがずっと痛い。1つだけ頭に来たのは、もし僕が死んだら、『Disappearance
of Finbar』に出られない、ってことだった。それが僕を駆りたてた。僕には作らなきゃいけない映画があるんだ、自分をコントロールしてこの状況から無傷で抜け出さなければ、と思った。若いヤツが1人、興奮して僕に銃を向けて撃鉄を起こし、撃とうとしたが、リーダーの男がそいつを押さえて、「バカをやるな」と言った。そのリーダーを見て、その時、僕は大丈夫だろうとわかった。その瞬間から僕は彼と信頼関係を築こうとした。要するに、僕は演技することで、その状況から抜け出したんだ。
G: 彼らが出ていってからは、大丈夫でしたか? トラウマなどはありませんでしたか?
J: 3ヶ月くらいたってからガックリきた。たぶん1ヶ月くらいは奴らのことを憎んだし、あいつらの家に押し入ってあいつらの子供に銃を向けてやりたいと思ったけど、悪事をやり返す事は正しい事じゃないし、僕はもうずっと前に彼らを許した。それに彼らもあんな事をしたのは、貧しくてクリスマスも近かったから家族のためにお金が欲しかったんだと気がついた。僕は、彼らにお金を全部あげていただろう。わかるだろ? 男達のうち何人かは、後で他の罪で刑務所に行ったらしい。それで彼らが何か学んで、他の人にこんなことをするのをやめるなら、いいことだ。でも、僕は彼らを傷つけたいと思わないし、他の誰も傷つけたいとは思わない。
G: あなたを変えた経験でしたか?
J: うん。あの時から、僕は俳優になれる、そして僕にできないことはない、とわかった。あの経験が、たくましい頭とたくましい心臓をくれた。それに、俳優であることだけでなく人間であることの目的も与えてくれた。この世界には、僕のためだけでなく他の人のためにもやらなければならない事があるんだと悟ったような気がする。そして、人を恐れることはないと教えてくれた。もし誰かが僕に向かってケンカを吹っかけてきても僕は、「いっぺんに何丁の銃が僕に向けられたか知ってるかい?」っていう感じだよ。
(以下略)
<管理人コメント>
ちょっとコンピュータの不調で、原文を載せられなくてすみません。この部分だけ、どうしても早くお届けしたかったので記事の他の部分を省略していますが、近いうちに原文だけは全記事を載せたいと思います。
初めてこれを読んだ時は、「まあ、ジョナサン、なんてコワイ目に!」と大変気の毒に思い、またジョナサンに何か起きていたら、と思うと震えがきましたが、「野郎ども6人に囲まれ手錠を掛けられ、口の中に銃を突っ込まれて恐怖に青ざめるジョナサンは、さぞかし美しかろ〜」などと考えたらもう止まりません。「ジョ、ジョナたん、くちン中突っ込まれたの銃だけ〜!?」(←こらこらっ#)などと、もうおバカの極致(す、すみません、マイヤーズさん…)。
とにかく何事もなくて、本当によかったです…
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